地熱調査とは?
地熱発電所を建設する際は、入念な調査が行われます。
ざっとですが、以下に示す様な手順で調査が進められていきます。
調査開始から発電所の建設までは最長で約15年必要となっています。
①地表調査(1~3年)
②坑井掘削調査(2~3年)
③事業性評価(0.5年)
④環境アセスメント(7,500kW以上の場合)(4年以上)
⑤坑井掘削・発電所建設(3~5年)
オリックスと地熱発電
オリックスはリース祖業の金融コングロマリット企業ですが、近年事業の多角化を進めており、メガソーラー建設などクリーンエネルギーにも投資しています。
また大分県別府市で運営している杉乃井ホテルで1.9MWの自家発電設備を運営しているノウハウを有していた同社は地熱発電分野への進出を模索しているようです。
更にオリックスはイスラエルに本社を置く地熱発電会社Ormatの発行済み株式22.1%を取得し世界の地熱発電事業に参画も視野に入れていることが伺えます。
青森県においてはオリックスは2013年頃から青森県下風呂地域で初期の地表調査を完了しています。
今回2020年5月に下風呂地域の報道のあった調査は坑井掘削調査だと思われます。結果は残念ながら地熱貯留層に到達しないという結果になりました。
今後の展開は?
今回の報道の中でオリックスは下風呂地域からの撤退は考えていないとの回答がありました。
探索技術の進歩はありますが、それでも想定した箇所に地熱貯留層が存在するかどうかは実際に掘削しないと分かりません。今回は惜しくも地熱貯留層に到達しませんでしたが、次回以降の掘削の報告を楽しみに待ちましょう。
参照サイト
【調査】オリックス、青森県風間浦村と青森市で地熱発電の事業性検証/掘削調査で地熱資源量を確認