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【洋上風力発電】関連銘柄と日本企業の活路は?

欧州は2050年に関する野心的なCO2排出削減目標を宣言、アメリカもバイデン政権が誕生が見込まれ、グリーンエネルギー投資が加速しそうです。

そんな注目度が高い再生可能エネルギーとして太陽光発電と並んで着目されているのが洋上風力発電です。洋上風力発電は陸上風力発電と異なり設置場所の制約が小さいこと、大型化できることがあり、欧州では積極的な設備投資が進んでいます。

日本も海に囲まれた国土を有していることから洋上風力発電のポテンシャルは高いと思われます。また日本の各社が2050年を見据えたメガトレンドに乗れるか、個人としての投資戦略はどうするべきか考えていきたいと思います。

 

 

日本の洋上風力用タービンメーカーは撤退、2強は欧州勢

日本の重工業主要メーカーである三菱重工と日立製作所は商用化が可能な性能水準に達することができず、2020年現在洋上風力事業から撤退しています。これは欧州の海が遠浅で着床式が主流なのに対し、日本は水深が深い為コストが高い浮体式が主となる点も挙げられます。この為タービン分野ではノウハウを有する欧州企業に劣り、日本の洋上風力発電を導入する場合は欧州企業が有利になる可能性があります。

 

洋上風力向けタービンメーカーはデンマーク企業「ヴェスタス(Vestas)」とドイツ企業「シーメンス(Simens)」でシェアの3割弱を占めます。特にヴェスタスは今後急速に普及すると見込まれる洋上風力発電の恩恵を受けると見られ株価はコロナショック時から約3倍に急騰しています。

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VESTAS 株価チャート

  

風況観測

風力発電施設を建設する場合、風況観測を行い建設場所を選定する必要があります。風況観測にはリモートセンシング技術が用いられ、風力発電業界向けには、主にSoDAR(Sonic Detection And Ranging、ソーダー)と、LiDAR(Light Detection And Ranging、ライダー)があります。これらリモートセンシング技術は多くの部品で構成され特にLiDAR関連部品に日本の大手も一定程度のシェアを有しています。

企業名を挙げると浜松ホトニクス、Sony、オムロン、デンソー等があります。

 

施工・据付

海上での工事には多くの作業船(クレーン船、杭打ち船、ケーブル敷設船など)が必要です。この点日本は造船技術を有しており対応は可能だと思われます。課題として如何にコストを抑えた工法を開発できるかです。

日本の大手造船会社の中では三井造船傘下の三井海洋開発がこの分野で高いシェアを有していますが、2020年時点の業績は海洋油田開発船のトラブルで特別損失を計上し赤字に沈んでいます。株価も2018年の約半値になっています。

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三井海洋開発 株価チャート

海底ケーブル

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図、MIRU NEWS&REPORT 超高圧海底ケーブルの現状と将来性(その2)より引用

風力発電した電力は陸地まで送電する必要があります。方法としては海底ケーブルを使用する方法が一般的であり、石油や天然ガスの洋上生産設備に電力供給を行っていたノウハウを持つ欧州勢が高いシェアを有しています。Prysmian(イタリア)、Nexans(フランス)、NKT(デンマーク)で全体の75%以上のシェアを有しています。(ABBのケーブル事業は2016年にNKTケーブルに売却されています。)

日本企業は海底ケーブル全体に占める割合の5%程に留まります。主なメーカーは住友電工、古川電工です。

 

メンテナンス

運転監視はSCADA(Supervisory Control And Data Acquisition)を用いる可能性が高いそうです。残念ながら日本の電機メーカーは出遅れており、Intellution社とWonderware社がシェアを押さえています。

保守管理体制は日本の海運大手が取り組みを進めていますが、海外他社と比較しどこまで優勢があるかは不明です。

 

日本企業は洋上風力発電に参画できるか?

私の考えは日本企業が海外の洋上風力発電市場に主体的に入り込むことは厳しいと思います。特に欧州では関連技術やノウハウを蓄積した企業が多く域内で完結すると思われるからです。一部風況観察やメンテナンス関連技術を持つ日本メーカーが恩恵を得る程度だと思われます。

国内市場においては日本企業が強みを発揮できる可能性はあると思います。日本企業が洋上風力発電に必要な技術を有していること、規制面などで海外企業に対して優位性があると予想されるためです。あとは国の方針としてどれだけの本気度で臨むのか、きちんとしたロードマップが描けるかという政治的課題だと思います。

投資戦略は?

洋上風力発電向けモーターを製造しているヴェスタスの2020年時点でのPERは70倍と一般的な割高水準になっています。しかし、欧州の洋上風力関連の投資は2050年まで100兆円規模になると予測されています。高PERは将来の成長性も高い場合は正当化されることがあります。

施工・据付に関連する企業は業績の振れが大きいです。また圧倒的なシェアを持つ企業が存在するわけではないので判断が難しいと思われます。ただし、大きな受注を勝ち取る企業を見つけられた場合のリターンは大きいと思われます。

海底ケーブルで大きなシェアを握る3社はいずれも欧州企業であり、日本の証券会社を利用しての投資は現在のところ難しいと思います。

風況観察、メンテナンス関連企業については関連技術を開発しているものの、洋上風力発電のみに使用される技術ではなく、洋上風力発電の普及と業績が必ずしもリンクしないと思われます。しかし、これらのセンシング技術・オートメーション技術は今後の伸びが期待できる分野ですので、投資価値はあると思います。

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表1、洋上風力発電投資判断

 

ここまで書いての私の意見です。

あくまで個人の意見です。投資を進める意図ではありません。投資は自分の意思で、自己責任でお願いします。

私の洋上風力関連投資で良いと思う投資対象は風況観察関連企業に分散投資することです。洋上風力発電の普及に伴う恩恵も得られますし、今後伸びるセンシング技術・オートメーション技術の恩恵も享受できると思われるからです。

洋上風力発電向けモーターを製造しているVESTASへの投資も魅力的です。特にVESTASは洋上風力発電に占める売上高が高く、シェアもSimensと並ぶトップ2企業です。今後洋上風力発電が普及すれば大きな業績拡大が期待できます。しかし、現在2020年12月時はコロナに伴う給付金などの影響で一部銘柄が課題評価されている可能性があると思います。特にカーボンニュートラル関連の企業はテーマが分かりやすく人気化しやすいと考えています。ヴェスタスもその例に漏れずPER70倍と高いです(テスラ等と比べれば大したことは無いですが)。私はヴェスタスの株価をウォッチングしつつ、大きく値を下げた時に買い向かう準備をしておきたいと思います。

また国内では福島沖の洋上風力発電撤退で機運が低下してしまっていますが、再び国内で洋上風力発電建設の目途が立つ様なことがあれば日本の据付・施工、海底ケーブル関連企業の業績に寄与する可能性はあると思います。その様なニュースが出ないかこちらもウォッチングを続ける必要があると思います。

 

参照サイト

福島沖での経産省主導の洋上風力発電開発事業、稼働率低く、全基撤退へ。 600億円の国費生かせず。三菱重工、日立、三井造船が製造元の3基。イノベーションリスクを露呈(各紙)

風力発電タービンで世界シェアNo.1!売上高1.2兆円を誇るデンマーク企業「Vestas」 | Strainer

海洋開発市場の現状国土交通省 海事局平成29年12月

SBMオフショア - Wikipedia

■特集 浮体式洋上風力発電の技術課題

MIRU - 超高圧海底ケーブルの現状と将来性(その2)

ABB、ケーブル事業をNKTケーブルズ社へ売却

SCADAとは何かをやさしく解説、1枚の図でわかる「4つの機能」 |ビジネス+IT

SCADAの国内シェアと海外シェアについて

【特集】風力開発、カギ握る風況観測(2) | 電気新聞ウェブサイト

造船市場の現状 国土交通省 海事局 平成29年12月

三井海洋、最終赤字185億円 海洋油田で特損 19年12月期: 日本経済新聞

 

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